
先日、やっと念願のマイホームを購入しました。
ですが、建築中の家が購入条件と違うためキャンセルしようとしたら、不動産会社と揉めてしまいました。自治体の無料相談所に行ったのですが、時間切れで、次回行ったときは別の担当者でまた最初から。結局、何も解決せずに帰ってきました。どうしたら良いのでしょうか?




賃貸物件を借りて、美容サロンを経営しています。
先日、急に漏水事故が起きて、オーナーに相談したら、何も対応してくれないので、弁護士の無料相談に行ったら、手付金で30万円必要と言われました。仮に、勝訴して100万円の損害賠償金が入っても、弁護士相談料と報酬金で合計100万円かかるので、結局、やるだけ損なの?と思い、諦めようと考えています。どうしたら良いのでしょうか?




不動産トラブルは、不動産会社・管理会社・オーナー・弁護士・自治体・友人・家族、誰に相談しても、解決しないときがあります。
なぜ、解決しないのか、では、どうしたら良いのか?
今日は、不動産トラブルが解決しない理由と対処法について説明します。
僕のプロフィールも見てね!
・不動産業界経験20年以上、3回の転職で年収5倍UP(300万円→1600万円)
・小さな賃貸から大手不動産会社まで勤務して業界全体の実情に精通
・資格(宅建、不動産証券化マスターなど)、 不動産セミナー講演経験もあり!
【体験談】不動産トラブルが解決しない理由と対処法(賃貸・売買)




では、説明を進めます。
① 不動産問題は、多種多様
不動産問題と言っても、賃貸・売買・仲介・管理などの範囲が広く、解決するには、法律・建築などの知識が必要です。小さな問題であれば、たまたま相談した相手(不動産会社や友人)からのアドバイスで解決できる場合もあります(例えば、中古物件を購入したけど、シロアリ発生。自分でやらないといけないの?などの簡単な問題です⇒不動産会社に確認したら、重要事項説明書にシロアリ損害負担は売主との記載を確認できて解決した、等)。
ですが、少しでも難易度が上がると、不動産問題はディーブなので、10年くらいの不動産のプロや弁護士でも全く歯が立たず、長年の不動産現場でのトラブル対応実績・経験が必要になります。例えば、家賃滞納や漏水事故などはオーナー、管理会社、その家賃滞納の金額と滞納経過日数、漏水事故であれば被害の状況に応じて、取るべき100点の対応は違ってきます。



② 不動産トラブルの相談事例(具体例)
③ 不動産トラブル解決に必要な知識・経験が多過ぎる
④ 不動産トラブルの相談相手の特徴とデメリット
不動産トラブルに遭遇したとき、相談しに行くときの相手窓口の特徴・デメリットを見てみましょう。
問題が軽くて、たまたま相談相手がマッチした場合は、解決するケースもありますが、大半は解決しないです。
仮に、解決しても、ベストな内容かは不動産のプロでも分からないことがあります。不動産を仕事をしている人が仮にプロだとしても、プロの中でもレベルが10段階くらいあります。10段階の中でレベル3程度のプロの解決方法とレベル10のプロの完璧な対応では、結論の全てが変わってきます。損害賠償請求金額でいえば、天と地ほどの違いが出てきます。10万円か200万円とかそのくらいの違いです。だから、良いアンサーを貰えるような相談相手を選んでください。レベル3のB級のプロはできるだけ選択しないように注意してください。相談相手の選び方は、後述の【③ 相談相手の選び方】を参考にしてみてください。
不動産トラブルの相談相手とデメリット |
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不動産会社 | 手数料が発生しないから、付き合ってくれない よくて話を聞いてくれるレベル 法律・手続きに詳しくない |
自治体(無料相談) | 時間制限あり(20~1時間)・毎回担当が変わる・不動産経験が無い(中にはボランティアの方もいる)ため、解決しないことが多い |
弁護士・司法書士 | 費用が高い(弁護士依頼の相場は相談内容によりますが、着手金で最低10万円、問題解決するまでの報酬金や相談料を支払うと数十万円~と高額です。※参考:弁護士相談広場の情報より) 法律・登記・手続きは強いが、そもそも不動産経験が無くて根本的に解決しないことも多い また、解決内容もベストかというと微妙なことがある |
友人・家族 | 不動産のプロじゃないからトラブル相談の話しはきいてくれても、提案ができない |
不動産会社に勤務している友人・知人 | 頼りになると思って聞いてみても、不動産問題は多種多様で、相談した問題のプロじゃなく、解決しないことの方が圧倒的に多い |
不動産業界に関わっていない人には、「分かりにくいこと」が一つあります。それは、
不動産業界のフィールドはとても広くて、奥が深いため、すべてのジャンルをカバーしたプロがいないということです。
たとえば、不動産のプロと言っても、よく誤解されているのは
「賃貸のプロでも、売買についてはほとんど分かりません」
「売買のプロでも、賃貸についてはほとんど分かりません」
「賃貸・売買の両方を経験したプロでも、法律には詳しくないです。難しいので。」
「賃貸・売買・法律に詳しくても、住宅・オフィス・店舗・駐車場のトラブルから1億円以上の訴訟経験など、様々な経験を持った方はほぼいません。」
法律家・税理士と同等クラスの知識を持ち、不動産キャリアが長くあらゆる業務で現場経験がある人がいたら、解決できるかも知れません。が、しかし、そういう人は稀です。



④ 【体験談】実際に自治体の無料相談(品川区・区民相談室)に行ってみた。
品川区には、区内での不動産取引トラブルなどについて相談を受け付けています。
僕の場合は、品川区の区民相談室に、「不動産会社と契約した土地面積よりも、セットバック後の面積が小さくなるため、取引の経緯を考慮しても不動産会社が契約違反を犯していると思うが、どうか!」という内容で、困っていたので相談に行ってみました。
出てきた職員の方は、見るからに人の良さそうな優しい70歳前後の方でした。
お聞きすると、ボランティアで相談対応をやっていると話してくれました。
話しが進むにつれて、「そもそもの売買の経緯から契約内容、僕の主張、相手方の説明」を説明した時点でかなり時間が経過していたので、結論を聞いてみたら、『個別ケースにもよるし、そもそも、この区民相談室に相談に来る人は、2000万円の土地を騙されて4000万円で買わされた。」「再建築不可の不動産を売られた。」とか、もっと大きい相談ばかりです。あなたの相談は、小さくて、損害額も軽微だから、損しても30~100万円未満でしょう。不動産会社と直接話してみてください。」・・・・と言われて、スゴスゴと帰ってきました。
何の解決にもならない上に、もっと損をしているから、数十万円の被害だったら、まーいいじゃないですか!と言われた訳です。
まー、行政相談で不動産取引解決を無料ですぐにできるとは考えていなかったし、想像は付いていたのですが、その日はとても落胆しました。
この職員さんは人柄も良かったし、最初から期待はしていなかったものの、想像を下回ってきたので、「他にも不動産トラブルで困っている人はたくさんいるのに、皆んなどうやって対応しているのだろう?大きな損が出ているに違いないと思いました。」
参考までにお伝えすると、僕の場合は、不動産会社と協議した結果、不動産会社としては「仮に裁判所で争っても購入金額を値下げするようなことはできない。」と主張してきたため、いろいろとこちらも強く主張して、「購入金額は値下げしなくてよいから、損害相当分を建物のオプションで提供して貰う。」ということで決着させました。
不動産トラブルが解決しない時の対処法 <ハッキリ言います>
① まずは、行政・業界団体に相談に行く(時間がかかり、解決しないかもしれません)
「時間がかかる」「解決しない」という可能性もありますが、まずは、自分がどんな問題に直面しているのか確認するためにも、一度、無料相談の自治体に行くのは、一つの手です。
では、どこに連絡したらよいのか?というと、相談窓口は無数にあるので、下記にまとめておきます。
行政 |
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国土交通省 | 不動産業等の監督・不動産の流通の管理・整備などを行っています。 |
経済産業省 | テナントの問題(店舗ビルの漏水トラブル等)など、不動産トラブルの中の一部は国土交通省ではなく経済産業省が管轄です。 |
法務省 | 不動産の登記に関する事務を管轄しています。実際の登記の取り扱いは,各地の法務局が行うことになります。 |
全国の自治体 | 各都道府県・市区町村に不動産関連の相談窓口がある場合は問い合わせしてみましょう。連絡先は自分のお住まいの市区町村のネット情報か電話連絡にて確認してみてください。 |
裁判所 | 解決しない場合は、最後は裁判所で判定することになります。裁判所は日本各地にあります。(※各地の裁判所の検索はこちら) |
国民生活センター(消費者ホットライン) | 消費生活全般に関する苦情や相談を受け付けています。欠陥住宅、シックハウス問題、契約時・退去時の金銭トラブル、リフォーム詐欺・引越業者とのトラブルもこちらです。 |
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル) | 住宅相談の専門窓口です。物件や業者選びの注意点、住宅の欠陥の相談、業者とのトラブル、リフォーム見積金額相談など、幅広く相談を聞いてくれます。 |
業界団体 |
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公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 | 宅地建物取引業者による宅地建物取引業協会が集まった連合会で、不動産全般の相談ができます。 |
公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会 | 賃貸住宅の家主・入居者用の無料相談ができます。 |
公益財団法人日本賃貸住宅管理業協会 | 賃貸住宅の家主・入居者用の無料相談ができます。 |
一般財団法人不動産適正取引推進機構 | 不動産取引(売買含む)に関する電話相談ができます。 |
公益社団法人全日本不動産協会 | 不動産取引(売買含む)に関する実務相談ができます。 |



② 専門家(弁護士・司法書士等)に時間限定の無料相談に行く(無料相談以降は高額の費用がかかります)
弁護士は、法律・登記・手続きに詳しいが、そもそも不動産経験が無くて根本的に解決しないことも多い。よって、解決内容もベストにならない可能性もある。かつ、数十万円と高額になるケースが大半だが、数百万円の高額訴訟などの大型案件になる場合は、まずは無料相談に行ってみることをオススメします。
専門家 |
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日本司法書士会連合会 | 全国の司法書士会の連合会です。登記事務の専門家である司法書士で構成されています。 |
日本土地家屋調査士会連合会 | 全国の土地家屋調査士会の連合会です。土地家屋の調査・測量の専門家で構成されてます。 |
日本司法支援センター(法テラス) | 法テラスは、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。 |
日本弁護士連合会 | 日本弁護士連合会は、弁護士および弁護士会を会員とする法人です。弁護士法に基づき会員の指導・連絡・監督に関する事務を行います。 |
東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会 | 東京の弁護士で構成されている団体です。 |
③ 相談相手の選び方
相談内容によって、相談窓口が違います。
賃貸のトラブルなら、業界団体の賃貸関連(公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会・公益財団法人日本賃貸住宅管理業協会)、売買のトラブルなら、業界団体の売買関連(一般財団法人不動産適正取引推進機構・公益社団法人全日本不動産協会)に連絡します。
相談窓口によって、対応態度や回答内容が全く違います。僕も上記に表示した相談窓口すべてに確認している訳ではないので、そのレベル感をお伝えするのは難しいです。ただし、共通して言えることが2点あります。それをお伝えします。
①相談相手にトラブル内容を説明したら「相談相手が問題を理解し、100点の解決方法を知っているか」確認してください。または、「あなたは問題の解決方法を知っていますか?」とダイレクトに聞いてみてください。
すると、「100点ではないが、合格点くらいの解決方法は伝えられる」「そのトラブルについては自分はわからないから、■■に聞いてみてくれ」と言われると思います。1件目の相談相手で解決方法を聞けなくても、とにかく、根気強く、2~3件当たるのも一つの手です。
②とりあえず最初に連絡した相談先で解決しなかった場合で、「どこに連絡するのが一番良いか」というのを相談してみてください。
まずどこかに連絡すると、「それはうちではなく、●●に連絡すると良い」と言ってくれる場合があります。その場合でも、●●に連絡してみたら、▲▲に連絡するのが良いでしょう。とたらいまわしにされることがあります。それだけ、不動産問題の範囲は広く、根深いといのが現実です。
④ 自分でやってみる
「自分である程度の経験値があり今回のケースは問題が小さいため、自分で対応できそう」ということであれば、まずは、自分で、不動産トラブルに対応してみるのも社会勉強になります。ただし、法律的要素や技術的要素が含まれる場合は、専門的知識が必要となり、自分でやり取りした結果、思いがけず傷口が広がることもあるため、ほどほどにするのが良いと思います。
⑤ セカンドオピニオンを依頼する
自分の周りに頼れる知人がいたら、まずはセカンドオピニオン的に意見を聞いてみましょう。ですが、その相談相手の方も、自分が抱えている不動産問題のプロじゃないことが多いため、話しを聞くだけで、解決に繋がるセカンドオピニオンは難しいかもしれません。




不動産トラブル問題の難しさ
僕も、父が購入した中古の家が欠陥住宅(擁壁に問題・シロアリが出た等)だった時は、若かったので法律知識ゼロで救ってあげられなかったとか、自分が戸建てを購入した時に地中に軽自動車サイズの壊れた貯水槽が埋まっていて(そのまま買ったら売却困難)キャンセルで苦労した等、自分の不動産投資トラブルも含めると、たくさんの苦労をしてきました。
今は、小さな賃貸仲介・管理会社から大手不動産会社まで、実務で20年の間、不動産トラブルの解決にあたってきたため、大半の問題はカバーできるようになってきました。過去には、家賃滞納をしている悪質企業から僕個人あてに損害賠償請求2億円の訴訟を仕掛けられた経験もあります(勝訴しました)。
最近、友人・知人からの不動産の相談がくるようになり、賃貸や売買で困っている方がたくさんいることがわかりました。
僕の経験がその解決に活かせればと思い、相談の受け付けをはじめました。 ⇒最近の解決事例については下記リンクをご参照ください。
既にお話しした通り、不動産問題は多様ですが、僕の場合は、大半のことは不動産の現場での経験済みですので、広い範囲で総合的なセカンドオピニオンをすることが可能です。ただし、そんな僕でも解決できない問題もありますので、それをご了承の上、よろしければ下記のページをご覧いただき、お問い合わせページからご連絡ください。とにかく、いち早く皆様の不動産トラブルが解決することを願っています。










最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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それでは、また次回のブログで会いましょう!!