
「入居者が2年サイクルで賃貸を解約している」というのは、誰もが、何となく、ふんわり、感じていると思う。
だけど、その理由をマジメに考える人は少ない。
ネットでググっても情報は出てこない。
だから、2年サイクルの理由を検証してみました。
不動産会社にもヒアリングしたので、参考にしてください。
入居者は、賃料の源泉なので、デキる大家必見です!
賃貸会社元営業責任者、大家歴7年、不動産歴20年以上、元ファンドマネージャーの私が説明します。
本記事は、こちらの記事の続きになります。



全国の平均入居期間は、本当に2年なのか?
下表は、属性別に平均入居期間を集計したデータです。



・学生・法人・外国人は、2~4年が多い
・ファミリーは、4~6年が多い
・高齢者は、6年以上が多い
賃貸需要が一番多い、学生・法人(サラリーマン)・外国人の平均入居期間で一番多いのは、2~4年です。その理由は、あとで解説します。
ファミリーが、4~6年と長期間になっているのは、契約金が大きい、子供の学区の関係、家族がそう簡単に短期間で引越しできない個別事情が多い、などです。
高齢者が、6年以上の長期間になっている理由は、賃貸住居の場所や質にこだわりがなく、引越しもかなり面倒な作業のため、住んだところにあまり不満を持つこともない「住めば都」スタイルで長期間住むことが多いからです。
では、2年サイクルについて考えます。
入居者が2年毎に解約・退去するサイクルについて考える
先ほどの表の中で、「学生・法人・外国人は、2~4年が多い」というところまで分かりましたが、2年と4年のどっちが多いのか?については、集計されたデータはありません。
そこで、私が長年付き合ってる賃貸管理会社で入居者といつも接している営業担当者2人にヒアリングしてみました。その結果、ずばり、感覚的にも2年毎に解約しているケースが多いという回答でした。
その営業担当者2人と、「2年毎に解約・退去が繰り返される理由」について検証してみました。
ズバリ、2年サイクルの理由は以下の通りです。
- 賃貸契約期間2年
- 賃貸契約ペナルティ(賃料免除など)
- 更新料
- 人間の心理
賃貸契約期間は、2年が一番多い
まず、賃貸契約期間が2年間が最も多いからという契約面の理由が一番の要因である。
普通は、ここで分析終了ということが多いですが、更に深堀り検証をしてみます。
なぜ、賃貸契約は2年が多いのか?



供給側の問題(借地借家法29条と更新料貸主側の事情)
賃貸借契約の更新は、借地借家法29条が大きく関係している。
借地借家法29条は「期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす」と定められている。
つまり、期間1年未満の契約は「期間の定めがない物件」として扱われ、契約更新の区切り設定できないため、契約更新で更新料を受け取れないことになる。これを避けるため、次に解説する需要側(入居者側)の事情を考慮した現実的な期間として、契約更新時期を「2年毎」に定めているケースが多い。
もちろん、更新料は最近では受け取らない貸主も増えているが、昔は更新料を取るのが主流だったため、その主流路線に合わせた慣習になっているということだ。
需要側の問題(入居者側の事情)
上記説明のとおり、借地借家法上の「期間の定めがない物件」として扱われないように、1年以上の契約が必要となりますが、一方で、賃貸物件に3年以上居続ける人は少ないと考えられています。この理由から、3年ではなく2年が設定されています。
では、その入居者側の事情を深堀りします。



入居者側の事情
まず、学生の場合を考える。
短大の場合は2年で卒業する。4年制大学の場合は4年のうち2年間経過すると、「入学時は、大学受験後に、急ぎで探したけど、よく考えたら、あの街が良かった、あの物件が良かった、もう少し大学に近い立地が良い」などの思いから、引越しをする。そして、4年の在学中に2つの物件で生活をするケースが多くなる。
社会人は3~5年で転勤する方も多いだろう。その場合でもやはり大体2年経過すると、街と物件の選び直しをするケースが多くなる。



契約ペナルティ(賃料免除など)
また、契約が2年だからと言って、そのまま継続入居していても良いのに、退去する理由は2つある。
契約時に数日~1ヶ月の賃料免除を受けている場合は、2年間のペナルティ(縛り)がかかっている場合がある。これが解除されるタイミングが2年間だからという理由もある。
更新料
もう一つの理由は更新料だ。更新料が無い物件もあるが、まだまだ更新料がある物件も多い。



人間の心理
そして、明確な理由以外に大きく影響しているのが、人間の心理だ。
数十万円の契約金と大変な引越し作業が終わったあと、1年後にはすぐには入居者は引越したくない。しかし、2年も経過すると「そろそろ、もうちょっと自分にあった街、物件に引っ越したい」となる訳だ。
ちなみに、これは若い人に多い意見だ。
賃貸マーケットの担当者2人に、今年の賃貸マーケットについてヒアリングした。その結果、40~50歳代を超えてくると、精神面も落ち着き、契約期間は2年を超えることも多くなるということだ。
最後に
いつもご覧頂き、ありがとうございます。
最近、少しづつですが、読者の方も増えてきて嬉しいです。
最近は、「禁じ手|エリア最高賃料の実現方法|不動産プロも否定する上級ワザ」への反響が多かったです。
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不動産投資のやり方はいろいろありますが、成功を望む気持ちは一緒です。
これからも大家さんに向けて役立つ情報を考えていきます。
次回の新しい記事でまたお会いしましょう(*´з`) 以上。
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